【2/17(木)】小林成年先生(名古屋眼鏡株式会社 代表取締役) 『リアル経営学』

《議事録》
1967年 名古屋眼鏡株式会社 創業
1987年 某商社入社
1990年 入社
1999年 社長就任
1990年~99年 悪い会社の10年
2000年~10年 普通の会社の10年
2011年~20年 良い会社の10年
2021年~ 素晴らしい会社へ
・資本金2700万 お客様に喜ばれた総額(総売り上げ)24億円。売り上げ目標ではなく、喜ばれた金額を考える。
・業務内容:眼鏡及び関連製品の卸売、開発輸入。特にオリジナル商品の花粉対策メガネはトップシェア。
・全国展開では、営業所を持つことが主流の時代に、持たないことを決定。物流をアウトソーシングに切り替えた。
・最初に就職した商社。ブランドを持っていたため、名古屋眼鏡と事業形態が似ていた。勉強のために入社。
・転職するときは、役職について上の人の目線を学んでから。
ルールを破る人は、上に立ったことの無い人。
理念>ビジョン>方針(社長級)>戦略(部長級)>戦術(課長級)>対応
●企業理念
作る目的:方針を共有するため。中小企業診断士の指摘。創業者や社員と作る。
社員は希望者からメンバーを選定。会社は社員みんなのもの。
①判断基準をお客様におく
②時代の先手を打つ
③心の価値を追求する
●社員満足度アンケート
毎年同じ質問内容で実施。2008年は第三者機関に依頼。
データとして、どう変化しているのか見るため。
業界内での強みを知っているか・・・100%
ビジョンは明確か・・・100%
給料の基準を知っているか・・・98%
自由欄に書かれたことは、きつかった。
社員に想いが伝わっていない部分があり、ショックを受けた。
●社員に会いたい。
3日間の出張でさえも、社員に会いたくなる。
●90年9月。長期で銀行から借りることができない。
自己資本率が6%と、1年以上の信用は得られなかった。
●数字は大事
「道徳無き経済は、犯罪。経済無き道徳は、寝言。」(二宮尊徳)
大まかな数字で、瞬時の判断を下す。すぐに電卓を使おうとするな。
●悪い会社の10年。膿と脂肪を落とす
在庫、売掛金の圧縮。システム化。
就業規則・給与規定の整備。
自社経理に切り替える。
営業日報・申請書の整備。
人は安定を好むため、新しいことを始めると辞めていく人がいる。
その分、既存の人の給料を上げることができた。
●普通の会社の10年
当たり前のことを、ばかにしないで、ちゃんとやる、それができる人。ABCD。
経営計画書による経営。毎朝社員全員が活用。環境整備。
●環境整備:仕事の環境を整えて備えること。≠掃除。
根っこ(物的、人的、情報の環境整備)人間は3カンの動物(感情、環境、習慣)
●5S。工場の5Sと異なる。
整理・・・要らないものを捨てる。
整頓・・・すぐに取り出せる状態にする。調べることはムダな時間。
清掃・・・整理・整頓をすること。
清潔・・・整理・整頓が保たれていること。
躾 ・・・整理・整頓が自然にできる。
●赤字だから新卒を採れない、ということはない。
赤字のときに採用した人が、現在会社を引っ張っている。社員の潜在能力を活かす。
●中小企業に入社するときには、社長を見る。
社長のカラーに染まるから。
●形から入って心に至ることが重要。
「仕事を楽しく」を企業理念のトップに持ってくると、赤字になった。
お客様本位をトップに。楽しい≠ラク
●良い会社の10年。
・素晴らしい会社を作る実践学習会。ネッツトヨタ南国店(2店舗で30億売り上げる。ショールームに車を置かない。お客様の夢)
・ヨリタ歯科(駐車場も無く、2~4Fの歯医者。しかし、子供の人気が絶大)
・川越胃腸病院(診察時間は5分しかとれないが、患者が惚れる。裏メニューの人間ドッグは半年待ち。看護婦希望者、最長8年待ち)
・沖縄教育出版(笑顔が心から出る)
・伊那食品工業(リッツカールトンホテルの人が、受付を欲しがる。雪の日には会社の前を自発的に雪かき。朝礼前に自発的に1時間掃除する)
※社員間のホスピタリティが重要。会社が社員のことを、どれだけ想っているか。「かけがえのない職場、かけがえのない人生」
●リーダーの資質。
①絶対にやるという信念
②自分自身をかける
③周囲を説得、説明できる。
●アイデアを出し続ける。上手くいったところを伸ばすと、強みになる。
●一番大切にしているのは、粗利益。=お客様の喜び。
●数字を社員に公開するには、勉強もセット。
意味を理解していないと、正しい判断できない。
●お客様と商品を増やすための経費は、削ってはいけない。
削ると売り上げが落ちる。
●人件費を出すために会社はある。
社員の幸せ。
●自責
何かあったときに、自分の責任にする社員たち。
他人のせいにしても、何も解決しない。
●社長、社員ともに責任を持つ。
●経理は、計数整理から経営管理
会計素人の社員でも、社員60人、売り上げ30億なら一人で業績を算出できるマニュアルを作った。
●3人の師。森本敏雄さん、小山昇さん、大久保寛司さん。
●成果をあげる人とあげない人の差は、
才能ではなく習慣的姿勢と基礎的な方法を身に付けているかどうか。(P.F.ドラッカー)
時間を創造する。24hは平等だが、公平ではない。
使い方次第。貢献に焦点。強みを活かす今やる重要なことに集中する成果が上がるように逆算する
●一番大切なことは、一番大切なことを一番大切にすること。
●「いいこと」を習慣(意識しなくてもできるレベル)となるまで繰り返し行うこと。成功する人は、成功し続ける。
●真理に近づくまで。
以上、大変多くのことを教えてくださった。
《日報》
大きな気づきは2点。一つ目は、人件費の考え方が異なっていたこと。
私は、会社の都合で一番動かしやすい経費は人件費だと考えていたが、減らしてはいけないものだと教わった。
実際に経営されている人の目線とは違うことを、実感できた。
2つ目は、5Sについて。
工場の5Sで捉えて小山昇先生の講義を聴講していたが、
異なるものであることを気づかせてくださった。躾になるまでレベルアップする。
今回は、ナマのデータで多くのことを教えていただけた。
理解が追いついていないところも多く、会計の本で勉強します。
日本ベンチャー大學2期生 松元仁(九州大学中退・鹿児島県出身)

●上の立場に立つ
使われている立場では分からないことが多い。
立場が上がるにつれ、対応だけでなく戦術、戦略と決定を迫られる。
下の立場だと意思決定することの大変さを知らないので、狭い世界だけで不満を言う。
色んな立場から自分だったらどうするかと考え行動出来るよう訓練しようと思いました。
他責では何の解決にもならない、自分に責任を持つ。
●道徳なき経済は犯罪であり、経済なき道徳は寝言である
片手にそろばん片手に論語である。どちらかではなくバランスが必要だと感じた。
数字が無ければ誰も説得納得させることは出来ない。
口で言うだけでなく数字として成果を証明しないとダメ。
損益計算書や貸借対照表を見せていただいたが、分からないことばかりで、
どんどん新しい発見があって面白かった。やらないと忘れてしまうので本で勉強する。
●環境整備
整理、整頓、掃除、清潔、しつけ。簡単そうで全く出来ていないことでした。
いつまでも残っているものは、不良債権と感じた。
いらないならすぐに捨てて、必要ならすぐに取り組んで自分のものにする。
そして、すぐに取り出せる状態にして準備しておく。これを意識しないでも出来るレベルまで持っていきたい。
■まとめ
何かを起こすには、上辺ではなく、どれだけ強く思ったか、心底そうなりたいと思ったか。
それを、意識しなくても出来るくらい繰り返し行い習慣化する。諦めない心が大事です。
自分のやりたいと思ったこと、強みをとことん伸ばし続け挑戦んしていき、一番大切なことを一番大切にします。
日本ベンチャー大學2期生 依田裕尚(国士舘大学卒・長野県出身)

転職
・転職するなら人の上に立ってからすべき。
・上に立つ人と下の人とでは考え方が違う。
・上に立つ人はルールに厳しくならなければならない。
・上に立つ人は決定を下さなければならない。
数値
・P/S、B/S、CFを理解しなければ経営はできない。
・数値は期ごとに出し比較しながら読み取る。
・各項目の数値は連動している部分がある。
環境整備
・ABCD、当たり前のことをバカにせずにちゃんとできる。
・環境整備をする。5S=整理、整頓、清掃、清潔、躾。
・整理、整頓は仕事をする前の土台作り。清掃、清潔でその状態をキープし、躾で習慣化する。
・自分が仕事をしやすい環境について考えて工夫する。
・探し物、調べ物をしている時間は無駄な時間だと意識する。
習慣的な姿勢、基本的な方法
・良いことは習慣化するまで繰り返し行う。
・時間管理を行う。時間管理は時間創造、同じ時間を有効的に利用する。
・貢献に焦点を合わせる。貢献しなければ何をしても意味がない。自分の行動基準を貢献できるかどうかに合わせる。
・強みを活かす。上手くいったことはやり続ける。成功するまでやり続ける。
日本ベンチャー大學院1期生 小林大哲(駒澤大学卒・神奈川県出身)