東京校の講義レポート

【11月18日】寺子屋モデル、武井孝夫先生偉人伝『二宮尊徳』

2009/11/18
二宮尊徳
⇒ 身長180cm、体重90Kg強の以外にも大柄な人だった。江戸時代後半の人物
  で農民でありながら藩に召抱えられこの時代では異例の出世を果たす。
  関東各地で農村の改革に成功。

学校に設置してある銅像が減っている理由
⇒ 本を読みながら歩くのはあぶないという理由もあるらしい。屁理屈である。
  日教組など戦前の教育をきらう風潮も大きい。
  薪を背負って仕事をしながらも本を読んでいるあの勤勉な姿の背景には「家を復
  興させる。」といった信念がある。この一所懸命さは現代の夢・目標のない子供達 
  にこそ伝えるべきものでありむしろ設置箇所を増やすべき。

新(心)田開発
⇒ 畑が荒れ果て心もすさんでしまっていた農村を立て直した。
  補助金なしで農民自身の力で立て直させる、10年間で復興するよう期限を設ける
  などと現代の企業で行なわれている「環境整備」をこの時代にやってのけた。
  反発し妨害するものもいたが、金次郎は自分に問題があるのだとして断食修行を
  行なった。その至誠(真心)は反対していた人たちに伝わり村民一体となって
  豊かな村を取り戻した。
  上手くいかないことを人のせいにするのではなく、自分の問題として捉えることで
  成長がある。人を変えるには自分が変わる。

父母もその父母も我が身なりわれを愛せよわれを敬せよ
⇒ 金次郎の読んだ歌。祖先をさかのぼると1代前では父母で二人、2代前では
  祖父母四人…20代前では1048576人!
  多くのご先祖様のお陰で自分がいることに感謝し自身を愛する、敬うべし。


日本ベンチャー大學1期生 中村寛(鳥取大学卒・鳥取県出身)
武井孝夫先生の講義
二宮尊徳

報徳思想
→二宮尊徳が掲げた思想。徳に対して徳で報いるという考え方。前提として全円観(万物には徳が宿るという考え)がある。徳とは自らの能力、長所のこと。各人が自分の出来ることを最大限に発揮し他者へ奉仕することで万人にとって幸福な社会が出来る。
二宮尊徳が人は一人で生きているのではないということをしっかりと認識していたのだと感じた。現在の社会に最も必要な考え方だと思う。自己の利益だけを追求していては万人が幸せになる社会にはなりえない。

知識に裏付けられた行動力
→二宮尊徳の生き方を見ていると松蔭先生と重なる部分が多いということに気付いた。両者に共通して言えることは行動を伴っていたということ。その前提として四書五経を通じて得た道徳観念がある。これらの知識を実際に実践したという点で両者は評価されている。
知識と実践、この二つを同時に行っていかなければならない。
そして大前提として自分自身の中にしっかりとした道徳観念、哲学を持っていなければならないと強く感じた。

三味一粒
→二宮尊徳の思想は神道、儒教、仏教の融合である。それぞれに役割がありそれらをミックスして実際に生きる上でのヒントとしている。
神道=国の興り、儒教=治国、仏教=治心、日本人独特の寛大な感性により絶妙なバランスで良いところだけを抽出している。
非常に柔軟な考え方の持ち主だったのだと思う。特定の思想にのみ固執することなく幅広い思想を自分に応じた部分だけ吸収するようにしたい。

日本ベンチャー大學1期生 小林大哲(駒澤大学卒・神奈川県出身)

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