東京校の講義レポート

平成26年 1/7(火)・1/8(水) 吉田松陰先生の故郷・萩「第5回 松下村塾合宿」1日目

2014/01/07  松下村塾合宿
●合宿1日目…1月7日(火曜日)
12:00 松陰神社前集合
    山口県萩、松陰神社に到着して感じたのは
    世田谷の松陰神社と大きく違うことだ。
    その大きさからは松下村塾誕生の地であるということの誇りと
    萩にとって、松陰先生がいかに重要な存在かを感じることができる。

    参拝に行く道中、さりげなく左手に松下村塾があった。
    右手にある至誠館に注目していたため
    危うく見逃すところだった。
    それぐらいされげなくあり、またそれが松下村塾らしくて
    本物を見ることができたことにとても感動した。

    鳥居前の石碑には「明治維新胎動之地」とあり
   「胎動」という言葉の表現がとても松下村塾のことを上手く表していて
    感動して興奮した。
    松陰神社内のお土産屋さんにあるうどん屋さんで
    松陰だんご(330円、柚の香りがさわやか)を食べていると、
    外に続々と各校の学生や
    参加経営者の方々も集まってきた。
    いよいよ萩研修が開始するのだという緊張感も高まった。

12:30 杉家幽囚室、松下村塾
    改めて松下村塾を見ると
    本当にこじんまりとしていた。
    その場所に松陰先生が謹慎させられ
    講義を行っていたと考えると
    なんとなく緊張した。

    裏手にある井戸も見たが
    今元さんは「その井戸を見て何を感じるか」と学生に尋ねたとき
    自分は特にぴんと来ていなかった。
    しかし、今元さんがその井戸の石でできている部分を触りながら、
    木は腐るから新しいものに変わるかもしれないが
    この石はきっと当時からあったはず、
    とお話しされたときにとても納得した。

    現場に来た時に何が一番大切かというと
    場所の距離感、そして観る、触れる、澄ます、嗅ぐ、なめる
    やってみる、であるということが身に染みた。

13:00 歴史ウォーク
    吉田稔麻呂生家跡、伊藤博文旧家跡を見る。
    今までは塾生の中でも超メジャーな人物のことしかよくは知らず
    他の塾生はあまり親近感ももてていなかったが、
    今回、生家をめぐる中で松陰先生とのエピソードや
    松陰先生死後の行動なども聴くことができ
    今までより興味が沸いた。

    それにしても歩いてみるとわかるが、本当に松下村塾から近いことがわかる。
    伊藤博文は来原良蔵の紹介で入塾し
    松陰先生からは人と人をつなぐのが得意なため
    政治家に向いているとアドバイスをもらったそうだ。
    松陰先生がいかに人を見る目があったかがよくわかる。

    それだけでなく後の講義で聴くが伊藤博文は松陰先生から
    「才能はないし、学もない。素直であるが花がない。
    僕すこぶるこれを愛す」
    という言葉を遺している。
    この言葉だけでも暖かい愛情を感じ、
    松陰先生がなぜ慕われるのかがよくわかった。

    玉木文之進旧宅、団子岩と向かう。
    玉木文之進旧宅は松下村塾発祥の地であり
    杉家がかつてあった団子岩のところから
    坂を下りてすぐのところにある。
    かつて松陰先生が学び、生き方のルーツとなった場所である。

    団子岩のところには杉家の間取りを見ることができ
    10人近く住んでいた場所と思えないその狭さに驚いた。
    その狭さや父と農業をして過ごした日々は
    きっと家族のきずなを強くしたのだろう。
    そしてこの場所から見える指月山と萩の城を見て
    公に仕える志を育てていったのだろう。
    そう考えるとこの場所が松陰先生の精神的なルーツでもあるのだと感じ
    印象強い景色は目に焼き付いた。

    今回の萩合宿では松陰先生の家族のつながりを
    知ることができたと感じる。
    産湯の井戸に触り、指月山を背に集合写真を撮り
    松陰先生や萩出身の名だたる方々のお墓をお参りし
    松陰先生と金子重之助の銅像前で写真を撮った。
    この場所は春は桜がきれいだそうだ。
    次は来るときは春に行こう。

14:30 「至誠館」見学
    松陰神社に戻り至誠館を観る。
    ここには本物の留魂録がある。
    とても小さい紙の束だと感じたが
    松陰先生から留魂録を託された沼崎吉五郎は
    それを4つ折りに小さくし衣服に縫い付けて
    大切に守ったからのようだ。
    自分が死ぬとしてもやるべきことを教え子に託し
    日本を変えていったのだから
    その想い、使命感と行動力はすごいものだと感じた。

    そして家族にあてた永訣の書。
    今までは留魂録にばかり注目していたが
    萩で松陰先生と家族のつながりを知ったこともあり
    永訣の書に今回改めて惹かれた。
   『蒼天の夢』の中で、幼い松陰先生は
   「家族を幸せにしたいと思うことは私の心」
    というようなことを言っていたことを思い出すが
    どんなに公のために尽くしても
    それでも何より大切なのは家族だったのではないか
    と今回の研修では強く感じた。
    それが永訣の書にも現れているようで
    今までよりもそこに書かれている文章が染み入った。

    しかし、個人的に至誠館で一番衝撃的だったのは
    松陰先生のグローバルで研ぎ澄まされた先見性だ。
    展示されている與地全図のところで
    今元さんと梅地さんがお話しされているのが耳に入ったのだが
    松陰先生は、かつて竹島についても
    「早く日本の領土にすべきだ」ということを発言した記録があるそうだ。
    今も続く問題に150年以上も前から問題意識を持っているなんて
    桁違いの天才なのだということを今まで以上に感じた。

16:00 萩城下町
    バスで移動し、萩の城下町にたどり着く。
    桂小五郎、高杉晋作の生家を続けてみると
    本当に近いことがわかる。
    身分のある家同士の青春もきっとあったのだろう。
    松陰先生の基礎的な部分は少しずつ知れてきたので
    周囲の人間ももっと知りたくなってきた。
    北尾さんの案内で菊谷家住宅と萩の町のマークの話や
    鍵曲についてのお話も聴くことができる。

16:30 高杉晋作の通塾路(晋作生家~松下村塾)
    高杉晋作がかつて親の目を盗み
    松下村塾へ通っていた道を皆で歩く。
    晋作は、この道を何を考えながら歩いたのか
    自分なりに想像しながら歩いてみた。

    当時の親は絶対的な存在である中で
    その目を盗んでまで通う理由、通いたい気持ちは何か、
    勉強になるからか、より多く学び国に尽くすという使命感か。

    自分の中で一番しっくりきたのは、
    ただただ楽しかったから行きたいだけではないかと感じた。
    自分の知らないことを知ることができ、
    自分の考えを発し、塾生の考えを聴き、松陰先生の考えを聴き、
    今まで藩校で学んでも満たされなかった
    好奇心が満たされたのではないかと感じた。

    そして松下村塾に通う時も
    昨日に学んだことを思い返したり、
    自分の考えをまとめたりしながら、
    松下村塾で今日は何を言い、
    どんな議論をするか、何を質問するかなど
    いろんなことを考えながら歩いていたのではないかと感じた。

    そう考えていると、自分がベン大に入るよりさらに前、
    大学4年生の夏休みに見学で通っていた時のことを思い出した。
    少し見学するつもりが、毎日見学し、
    ほぼ夏休みをベン大で過ごしたあの時は
    今までの学校とは違うことを知ることができて
    ただただ楽しくて通っていたように感じる。
    あの時にあって今はないものが何かあるように思えて
    とても大事なことに気付いたような気がした。

    そんなことを考えながら歩いていたら松下村塾にたどり着いた。
    この日気づいたことは一生大切にしよう。

18:00 民宿美城浜荘へ到着
    夕食を終え民宿に到着した。
    部屋の名前が吉田、高杉、桂などなど
    何とも心をくすぐる名前だった。
    しかも自分の部屋は吉田。
    同じく吉田部屋で隣に一緒にいた早稲田大学の浅見さんと
    若干はしゃいだ。

19:30 松陰先生に迫る講義
    風呂を終え、講義に移る。
    松陰先生についてまだまだ知らないことや
    うまく落とし込めていないことがたくさんあった。

    まず基本的なこととして松下村塾の何がすごいのかというところで
    他の私塾のように優秀な人材を集めたのではなく
    近所の若者が日本を変える人物に育ったことが
    他の私塾と圧倒的に違うということが確認できた。

    また今回改めて特に感じたことを3つ挙げるならば
    一つ目は「華夷弁別」だ。
    どんな場所でも世界の中心であり、
    萩から日本を変えていった松陰先生の言葉として聞くと
    とても説得力を感じる。
    今の自分でも全力で何かに取り組めば
    それが何かにつながり、少しずつ大きなことにつながっていく。
    今回の研修を終えて振り返ると
    新聞を読んでも何か見方が変わった気がする。
    小さな自分でも大きな何かを変えることができるかもしれない、
    そのためにももっと勉強しようと感じた。

    二つ目は、送序についてだ。
    松陰先生は塾生を送り出す時
    その人がこれからどうすべきかのアドバイスだけでなく
    自分の人脈を利用してその学生のためになる人を
    紹介していたそうだ。
    それが死後も明治維新を後押しする原動力になったのではないかと感じた。

    そして三つ目がバックボーンとしての「家族の存在」だ。
    今回の研修ではこのことに多く触れる機会があったが
    一つ気になっていたのが、なぜ松陰先生は
    文之進のスパルタ教育に対して反発等をしなかったのかということだ。
    当時の親は絶対的ということもあるのだろうが
    梅地先生に質問をすると、それは玉木文之進が
    まじめな人間であることが幼い松陰先生にもよく伝わり
    信頼関係ができていたからではないかと教えていただいた。
    このことは松陰先生の至誠にもつながっていると感じ、
    松陰先生のルーツには家族との信頼関係が一番にあるのだと感じた。

24:00 『蒼天の夢』鑑賞
    懇親会も終わり、最後に蒼天の夢の鑑賞会を行った。
    松陰本舗での店番のこともあり
    耳に残るぐらい聴いているのは事実だが
    それでも萩で松下村塾にいて学んだ後に
    見る映像はまた違った。
    松陰先生の家族や塾生とのつながりが
    一層強く印象に残った。

From:大森俊通@東京校5期生(東京都出身・琉球大学卒)
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●松下村塾合宿日報、1日目
12:30 萩の松陰神社で集合
    私が日本ベンチャー大學を知ったのは、ちょうど1年前の松下村塾合宿だった。
    山近理事長の鞄持ちとして参加させていただいたのだが、大学時代の当時は
    合宿にきちんと向き合うことができず、全く学びにならなかった。
    ひどい姿勢だったと思う。

    しかし、そこでベンチャー大學を知り、当時の学生の皆さんの輝きを見て、
    先輩方に励まされ、それがきっかけでベンチャー大學への入学を決めた。
    それから一年、ふたたび松下村塾合宿の日を迎えた。
    今回人一倍、思い入れは強かったと思う。

    また今回の合宿の、個人的な目標は、自らの今後の行動を律することだった。
    吉田松陰先生や塾生たちの生き方を全身で感じて、自分の行動に繋げる。

13:00 吉田松陰先生や塾生たちの当時の生の物語を実感
    まずは本物の松下村塾を見学し、梅地先生の案内で、塾を取り巻く人々の
    ゆかりの地を巡った。

    松下村塾や塾生たちの家々、周囲の町並みに実際に行って、見て聞いて、
    ときには触れていると、知っていた事実の他の、現実感のあるドラマが
    次々と浮かんできた。
    そこには青春の輝きや、熱い意見のぶつけ合い、袖を濡らした
    悲しみの体験もあったのだろう。
    それらは現場だから感じることができたことで、松下村塾のドラマに親しみが湧き、
    胸にぐっと込み上げてくるような気持ちも湧いた。

    山口県萩、本家の松陰神社の規模は東京よりさらに巨大で、塾の威厳と、
    その存在の大きさを感じた。
    本物の松下村塾の建物を取り囲むようになっていて、塾と幽囚の館では
    松陰先生の引きつけ力、塾生たちの熱心な学習の日々を感じた。
    井戸もあり、その石は恐らく当時からのものであり、見るだけではなく、
    時には触れることで、全身で感じることの大切さを学んだ。

    松陰神社の外、塾生たちの生家などを巡っていると、当時の松下村塾に通う
    日々の様子を思い浮かべることができる。
    松陰先生ご自身の生家やお墓がある団子岩まで、先生に解説をしていただき
    ながら歩く。
    細かい事実、エピソードまで教えていただき、松下村塾を巡る人々について、
    より深く知ることができた。

    松陰先生の生家はかなり小さく、豊かでないご自身の幼少期の生活が
    よくわかった。
    ただその場所は高台で眺めがよく、萩の街や城、その全体を見渡すこと
    ができた。
    松陰先生も幼い頃より、そこから萩全体を眺め、さらにそれより外に
    思いを巡らして育ったのだろう。
    松陰神社から団子岩までのウォークだけでも、松下村塾を取り巻いた環境を
    立体的に掴むことができ、人々の感情面での動きも想像することができた。

14:30 貴重な史料が収められた、至誠館を鑑賞
    松陰先生ゆかりのものが多く展示されていた。
    幼少時代、藩主に講義をしたときに身につけた裃、松浦松洞の書いた松陰先生の
    肖像画など、松陰先生の歩んだ人生が体に染み入るようだった。

    その中、一番奥に留魂録があった。
    至誠の志は永遠で、たとえ死んだとしても魂が朽ちることはない。
    そう書き記し、松陰先生は、弟子たちに未来を託した。
    松陰先生の大和魂はやはり朽ちることがなく、塾生たちは日本を変えた。
    まさに今の日本を作った、魂の留まった書だと思った。
    その魂に、私たちも学ばなければならないだろう。
    実際の書に出会って、学ぶ決意を新たにした。

16:00 高杉晋作が松下村塾に通った道を辿る
    高杉晋作は何に引き寄せられ、夜中に、親の目を盗んでまで松下村塾に
    通ったのか。
    その理由を推測しながら歩いた。

    自由な気質の晋作だから、そこにはよっぽど面白いものがあったのだろう。
    ひょっとして松下村塾にのみ、自らの生き甲斐を感じていたのかもしれない。
    身分制度がはっきりしていた当時、身分の差のある者同士では話すことも
    ままならなかったという。
    それが松下村塾では、身分に関係なく語り合える。

    また松陰先生は各人それぞれの本質を見て、長所短所は指摘し、長所は
    伸ばしてくれる。
    松下村塾に、人間としての喜びを感じていたのではないだろうか。
    のらりくらりとした自由人の晋作は、意外にも確固たる意志で、一つの場所を
    目指していた。

19:30 今元さん・梅地さんによる、松陰先生についての講義
    名もない近所の青年たちが日本をひっくり返した。
    それがどういうことか。
    吉田松陰先生が、指導者としてあまりに優れていた。
    もう一つ。
    誰にでも何かを成し遂げられる可能性がある。
    松陰先生は人の性質を見抜き、長所を伸ばすことが上手かったという。
    人はそれぞれ、長所短所があるが、誰にでも何か大きなことができるのでは
    ないかと思った。
    それは大きな励ましにもなる。

    私自身も、短所は数限りなくあるが、それでも何か、私にも大きなことができる
    のではないかと思っている。
    今回の研修で、その確信はより確かものとなった。

    今元さんの講義で、吉田松陰先生、松下村塾の凄さが、実感として分かり始めた。
    塾費無料で賄い付き、24時間営業で、期間はたった1年間。
    身分の差はなく、松陰先生は例えば品川弥二郎のような当時幼かった者にも
    熱く教えたという。
    根っからの教育者であった。
    ご自身の行動はことごとく失敗しても、塾生たちに夢を持たせて、大成功させた。
    それは松陰先生の成功と同義だろう。

    続いて梅地先生も講義をしてくださった。
    先生には昨年鞄持ちで参加させていただいたときお世話になり、今回私のことも
    覚えていてくださった。
    先生はご病気で大変な状態だが、私たちのために合宿に付きっきりで
    教えてくださった。

    吉田松陰先生はやったこと全てが失敗したが、失敗など屁とも思っていなかったと
    いう。
    実行してだめなら次へ。
    それでいいのだ。
    先生も最後には成し遂げた。

    実行するしかないのだ。

    また梅地先生にお会いできて、お話を聞くことができて、本当に良かった。
    知識だけでなく、熱も、活力もいただいた。
    先生の実行力、行動力が、何よりの学びだった。
    いつまでも元気でいていただきたい。
    一年後、またもっと色々なことを教えていただきたいと思った。

21:00 参加された方々と「日本を熱く語る」懇親会
    今回、鈴江社長、岡崎社長、梶井社長という分校の
    校長の方々や、事務局の皆さん、分校の皆さん、大学生の相馬くん、浅見くんなど、
    多くの方の参加で成り立っていた。

    この合宿で学んだことは、私たちが今の時代で活かしていかなければならない。
    そうでなければ、松陰先生や塾生たちに全く申し訳が立たないだろう。

    話していて、皆さん意識が高いと感じた。
    私ももっと時代に向き合わなければ。
    ここで一緒に学んだ方々、同志の皆さんを今後も大切にしていく。

From:佐藤洋一@東京校5期生(神奈川県出身・玉川大学卒)
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