
~競輪という競技をとおして~
正直「競輪」と聞くと、ギャンブルの部類だし、
おじいちゃんがやっている所しか見たことがなかったため、
どうやって賭けるのか、どこが面白いのか、まったく分からなかった。
今回の講義を通じて、競輪という競技の面白さや、
予想の暴露やその裏を読む面白さなど、新たに知ったことも数多い。
■自分から、やる
同じ練習メニューをやるにしても、自分から進んでやる人と、
言われたからやる人とでは、習熟度合いが明らかに違う。
自分がやろうと思って取り組む人の方が伸びる。
また、そんな人を周りの人間も後押ししてくれる。
それは、弱い(精神的にも技術的にも)人が、負けた時に他人のせいにするのに対し、
きちんと練習を積んで負けた人は、「自分が弱いから負けたんだ」「またお願いします」と、
実に謙虚な姿勢で接していることにも起因する。
たとえ相手がものすごく強くても、それは、
相手がその分自分より多く練習してきただけであって、できるのは当然のことなのだ。
その分をこれから自分が頑張っていって、何とかすればいい。
そのなかでも、自分から積極的に取り組む方が、自分が育つ。
ベン大と関わるようになって1カ月余りが過ぎ、
最近やっと「自分から行動する」ことの意義を噛みしめ始めた。
これまで、心のどこかで他力本願なところがありましたが、
すべて自分次第なんだと気づかされた。
自分がやらないと、まわりは変わってくれない。
自分が動けば、まわりも変わってくれる。――いわゆる「鏡の法則」である。
そうしたら、小さいけれど、変化があった。
自分のことを「いいね」と言ってくれる方が増えて、
私のことをきちんと見てくれる方が増えた。
とても、とても嬉しかった。
自分がちょっと好きになって、自信が持てるようになった。
そういうところまでつながっていくから、
「まず、自分からやる」ことは重要なんだと、今は言える。
これからも自分で積極的に取り組んで、ちょっとずつ自分を育てていきたい。
■勝利のお裾わけ
競輪に「チーム」があると初めて知ったのだが、
遠征に行った際には、その時の最終レースで
一番成績の良かった人が皆に食事などをおごる。
地元に帰った際には、練習に付き合ってくれた人や仲間にもご馳走を振る舞う。
そうして「祝い酒」をして、皆に勝利を還元することで、また次の勝利につなげていく。
自分だけでは勝つことは出来ない。皆がいるから勝てる。
本岡くんも言っていたが、スポーツにおいて、
個人競技なのに団体で支え合う競技は非常に稀だ。
私も、お話を聞くまで競輪がチームや
仲間を大切にしているということに気づかなかった。
賭け事でもあるし、単独プレーなのだと考えていたが、
練習では、バイク誘導などで仲間に支えてもらい、
常に仲間や相手を意識して行う競技なのだと分かった。
支えてくれた仲間への恩返し。それは、自分も嬉しいし、
相手も喜んでくれるし、「win-win」の関係で素敵だなと感じた。
中国人やチベット人は、何か食べるときに必ず「食べる?」と聞いてくれる。
これは、一緒に食べた方が楽しいからなのだそうだ。
私にとっては、カルチャーショックだった。
こうして、自分の幸福をまわりの人たちと共有することで、
仲間との信頼関係も強くなるし、良きライバルとして
自分を高められる存在としていてくれれば、こんなに心強いことはない。
これからも、そんな仲間をもっと増やしたい。
■「夢」より目標
「夢を持つ」より、「目標を持て」
夢は夢のままで、終わってしまうから、達成できる目標として考える。
聞いた瞬間、とてもいい考えだなと思った。
確かに「夢」には希望や憧れが詰まっているが、ある意味、
それだけで終わってしまうことの方が多いかもしれない。
目標は達成しなければいけないものであるから、そこに辿り着くよう努力するものだ。
私も、最近「夢」だったものを「目標」に切り替えて、目指してみようと考えるようになった。
それは上記の理由もあるし、自分だけの人生をもっと楽しみたいと思うようになったためだ。
「夢」も素敵だが、私には汗臭く「目標」を達成する方が合っているようだ。
From:横澤彩子(広島大学大学院修士)@JVU広島校1期生